コロナ禍も終息の兆しがみえつつあるなか、松禪寺では栗尾ふるさと委員会(委員長・藤田正一さん)主催による薬師祭を、9日(日)午後1時半より開催しました。あいにく断続的に降る雨で足元も悪い中でしたが、約25人のお参りをいただきました。
午前11時からは本堂で写経をされる方が3人ございました。
午後1時半から境内の薬師堂で法要を執り行い、和田山町の瑞泉寺様、講師としてお招きしました長野県千曲市の開眼寺様のご荷担をいただき、参拝者皆さんと一緒に般若心経などを唱えました。法要では栗尾薬師如来の功徳により心身安寧、福寿増長を祈願すると共に、『卻瘟神呪』という疫病退散を祈る際に読経する呪文を参拝者全員で唱え、参拝者皆さんの健康と世の中の安寧を祈りました。
午後2時からは、開眼寺(長野県千曲市)ご住職・柴田文啓師の講演『現代の化学技術社会と仏教』を聴きました。柴田氏は御年88歳。福井大学工学部を卒業後、40年以上にわたるビジネス経験を経て、横河電機株式会社のアメリカ法人社長、取締役などを歴任。退職後、滋賀県の永源寺の僧堂で修行され、現在の開眼寺住職となられました。檀家のないお寺ではありますが、禅堂を建立されて第二の人生を僧侶として生きることをめざす人々の指導もされています。また、妙心寺派宗門活性化推進局の顧問として「第二の人生プロジェクト」の発足に尽力されました。AIの進化によりさまざまな技術が社会生活に影響を及ぼす中、人々の心の拠り所となるのは仏教しかないと、参加者からの質問を受けながらお話されました。
最後に、お薬師さんにお供えしたお餅やお菓子を参拝者皆さんと分け合って、無事に薬師祭を終えることができました。参拝者皆さん、ふるさと委員皆さんにお礼申し上げます。ありがとうございました。
毎年この時期、集中豪雨の被害が各地で発生していますが、今年も九州北部で河川の氾濫や土石流が伝えられるなか、尊い生命が奪われています。ご冥福と一日も早く日常を取り戻していただくことを祈るばかりです。「明日は我が身」を、忘れてはなりません。